無責任で無関心な家族の話し

 

中野量太監督の作品は相変わらず底辺に近い家族や、壊れかけまたは過去に遺恨を残した家族を愛情深く描く。その関わり合い方は今後も続けて欲しいと思うけど、今回描かれた家族にはどこにも共感できるところはなかった

先ず元凶の死んでしまったオダギリジョーの兄は無責任にも程がある。自分一人がフラフラと生きて行く分にはいいだろう。親はそのとばっちりを受けるにせよ、それはそのように育てたことによる身から出た錆だ。子供はどうだ?病気とは言え普段の不摂生がたたっての病死で親が亡くなるのって、一種のネグレクトだ

離縁した満島ひかり演じる妻はそんなになるまで(離れて暮らしていたとはいえ)、自分の息子がひどい生活を送っていたことに気が付かないものだろうか。元夫との離縁時の取り決めがあったにせよあまりにも無関心すぎる

そして妹である柴咲コウは被害者であるように見せかけた傍観者のようにしか見えない。ちゃらんぽらんな兄に愛情寄せる母親に対するジレンマが、兄親子を無意識に遠ざけていたことは確かだ

もう一つ言えば、そんな兄を生み育てた両親の責任もこの映画は糾弾していない

 

家族という柔らかなベールを被せて良い話を語っているようになっているけれど、少年の心を無視した残酷さに気付くべきだ